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2025.06.27

【エッセイで感じるMIICAの授業】~アート編

MIICA2025_ART

「デッサンで空間を知る」

MIICAの1年生の授業には、色彩学とデッサンがあります。
デッサンと言われるとどんなものを思い浮かべますか?
りんご・球体・箱などを描かされた。鉛筆をカッターで削って手を黒くして描く、など古臭いイメージがあるかもしれません。

デッサンとは、ただ上手な絵の描き方を学ぶのではなく、空間の作り方、形の捉え方、質感や現象を観察して、自分の絵の中で構成していく作業です。

実際より影を誇張して描いてみる、重ね方を変えて演出してみる。そこにはトレースでは表現できない空間があります。デジタルやパソコンで作業していると、つい平面的に考えてしまいがちです。立体もレイヤーのような薄い紙の重なりに思ってしまいます。

でも空間というものは、実際はもっと奥深く広がっているはずです。
パソコン越しでもカメラ越しでも平たい紙でも、捉える媒体が平面でも、先の空間があるということを覚えていってほしいと思っています。

この力はどんな仕事についても役に立ちます。美大では映像学科の入試でもデッサンの課題があることが多いです。なぜ今の時代に新しいことを学ぶためにデッサンもやるのか、なぜデッサンはものづくりの基礎とされているのか。手を動かしながら考えてみましょう。

MIICAでは、自分たちがいる場所からさらに先のことを考える学びを大切にしています。
ぜひ柔らかい頭で、どんどん発想力を伸ばしていって下さい。

東京表現高等学院MIICA
美術教員
池田美紀