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2022.07.08

コロナとMIICA生。

新型コロナの感染者数がふたたび増加傾向にあります。昨年にも夏に感染者数が増加し、8月にはピークに達しました。

2019年下半期から流行した感染症により、全国の学生の皆さんが行うはずだった行事は中止や延期に追い込まれることになりました。現在もその傾向は続いています。

MIICA生ももちろん例外ではありません。まず影響を受けたのは今春卒業していった第3期生でした。

MIICAでは、1年生の前期でまず様々なアイデア発想法やまとめ方を身につけ、後期では自らの「修学旅行」の行き先を数ヶ月かけて議論・検討し決定してゆきます。修学旅行は2年生の秋。彼らが決めた行き先はシンガポールでした。・・・それが新型コロナの感染状況を鑑みた結果延期となり、さらに再び延期となり・・そしてついには中止となったのです。2年生で経験する大きなイベントの一つが、新型コロナの影響で無くなってしまったのです。高校2年生の思い出が、消えてしまった虚しさが残りました。

やがて彼らは最上級生になり、3期生はすでに受験へ向けての準備と様々な授業に追われる日々の中にいましたが、2年生で実施できるはずだった幾つもの行事のほとんどが実施できなかったという「やるせなさ」を常にどこかに抱えているように、我々教員は感じていました。

そんな昨年、7月のある暑い日。企画立案プロデュースの授業の時間を使って、教員たちは彼ら3期生を徒歩で30分ほどの江戸川土手へ連れ出しました。いつもマスクをし、通学電車や教室内で換気に気を配り、食事中の楽しい会話も奪われた日々。そんな日々から少しだけ自分を逃してあげられる方法は、日常の中にだってあるんじゃない?ちょっと視点を変えるだけで「非日常」は顔を出すんじゃない?

それはまさに「企画立案プロデュース」の実学でした。

江戸川土手にある大きな1本の木の下、3期生たちの心からの笑顔が咲いた日のことを私達教員は忘れません。小さな学校だからこそ生徒ひとりひとりの「きもち」がわかる。いつもそんな学校でありたいと、私達教員は願っています。